住宅ローンの金利タイプ「変動金利」について徹底解説

      2016/05/26


住宅ローンの金利タイプには大きく分けて3つのタイプがあります。今回はその内、変動金利について詳しく解説していきます。変動金利を利用する際はどのような点に注意すると良いのでしょうか?

住宅ローンの金利タイプは大きく分けて3種類

住宅ローンの金利タイプは大きく分けると以下の3つに分けられます。

  • 変動金利
  • 固定期間選択型
  • 全期間固定金利

変動金利はその名の通り変動する金利で、常に変動するリスクがある代わりに金利は安く設定されています。その逆に、全期間固定金利は借入時に最後の支払いまでの金利が確定する金利で、安心を得られる代わりに金利の設定は高くなっています。

固定期間選択型は最初の3年間、5年間、10年間を固定金利とするなど、選択した期間だけ固定金利となるもので、変動金利と全期間固定金利のミックスのような金利タイプだと言えます。

今回は、この内変動金利について詳しく解説します。

変動金利の特徴

変動金利には以下の3つの特徴があります。

  • 半年に1回金利の見直し
  • 5年に1回返済額の見直し
  • 5年に1回の返済額の見直しでも、前回の返済額の125%は超えない

変動金利とはいっても、金利の見直しがあるのは半年に1回です。また、金利の見直しにより金利が上下したとしても返済額は5年間変わりません。その代わり、返済額に占める元金の割合と利息の割合が変更されます。

例えば、金利2%、返済額5万円で元金4万円、利息1万円の返済だったものが、3年後の金利見直しで金利2.5%となっても、元金3.5万円、利息1.5万円というように返済の内訳が変わるだけです。

返済額125%の制限はリスクでもある

そして、変動金利で一番気を付けておきたいのが3つめの特徴です。変動金利は5年に1回返済額の見直しがされますが、前回の返済額の125%を超えることができません。つまり、返済額5万円であれば上限は6.25万円です。

一見、利用者にとって優しいルールのように思えますがそうとも言えません。先にお伝えしたように変動金利では金利の変更があっても変わるのは元金と利息の割合だけです。

例えば、同じ条件で5年後に金利5%と急激に上昇したとしても、返済額の上限は6.25万円です。返済額を上昇させることができなかった分がどこに行くかというと、元金と利息の割合に影響を及ぼします。つまり、元金1.25万円、利息5万円というように元金が全然減らない状況になってしまう可能性があるのです。

本当に怖い未払い利息の問題

さらに怖いのが例えば金利が10%になってしまったような場合です。

変動金利では金利が上がっても返済額を上げることができません。返済額の内訳が元金0万円、利息6.25万円という状況も有り得ます。そして、返済額内で利息を支払いきることができなくなった場合、例えば本来は8万円支払わなければならないのに、返済額が6.25万円を超えられない状況になった場合は未払い利息として1.75万円、毎月計上されることになります。

この未払い利息は、ずっと蓄積されていき、最後の支払日に一括して支払う必要があるのです。

20年間変動金利はほとんど動いていない?

変動金利には上記のようなリスクがありますが、実際の金利の推移を見てみると、実は平成7年頃から変動金利は20年以上ほとんど動いていません。平成28年2月に政府が導入したマイナス金利により、今後はさらに金利が下降するかもしれません。

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(住宅金融支援機構のホームページより)

とはいえ、上記の図表で分かるように過去には変動金利の金利が8%だった時代もありました。今後また金利が上昇する可能性が全くないとは言えません。

変動金利の金利上昇は固定金利の後にくる?

それでは、変動金利が上昇していまった場合にはどのような対策を取るのが良いでしょうか?考えられる対策としては「一括返済する」や「固定金利に借換えする」といった方法があります。

一括返済できるだけの資金的余裕があれば是非変動金利の利用をお勧めしたいですが、後者を考えている場合には注意が必要です。というのも、変動金利の変化は長期金利である固定金利の変化の後に来ることが考えられるからです。

変動金利の元となっているのは短期プライムレート(短プラ)と呼ばれるものなのですが、この短期プライムレートは政策金利に連動して決められます。そして、長期金利である固定金利は政策金利に連動して決められます。

つまり・・・
政策金利が上昇する→長期金利が上昇する、短プラが上昇する→変動金利が上昇する

という過程をたどることが予想されるため、変動金利が上昇した後に固定金利への借換えを検討しても、その時には固定金利は十分に上昇してしまっていることが考えられるのです。このように変動金利の利用にはさまざまなリスクがあることを理解した上で利用するようにしましょう。

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