銀行員の裏事情「銀行員が勧めたい住宅ローンの金利タイプとは?」

      2016/09/14


銀行の窓口ではその銀行の住宅ローン以外に、住宅金融支援機構のフラット35の取り扱いがある場合があります。しかし、そうした銀行においても多くの場合、フラット35よりも自社の住宅ローンを利用して欲しいと思っており、実際にそうした提案をしてくるでしょう。

銀行員にとってフラット35よりも自社の住宅ローンを勧めたい理由にはどのようなものがあるのでしょうか?

銀行員にとってフラット35は旨みが少ない

フラット35は住宅金融支援機構が提供する全期間固定型の住宅ローンで、銀行でフラット35を利用する場合、銀行は窓口としての役割を果たします。銀行側としては、フラット35を貸し出した場合の主な収入が事務手数料だけとなってしまうため、銀行の住宅ローンと比べると割高に設定されています。

事務手数料は利用する金融機関によって異なりますが、例えば1.5%に設定されている場合、3,000万円の借入で45万円支払う必要があります。

銀行員としては自社の住宅ローンを貸し出すことができれば、年利数%の手数料収入を長期間に渡って得られることになるのと比べると、1回ぽっきりの収入で終わってしまうフラット35を選んで欲しくありません。こうした理由から、銀行員は金利タイプの選択においてできればフラット35を選んで欲しくないと考えています。

もちろん、銀行の住宅ローンにも、フラット35にもそれぞれメリット・デメリットがあるため、どちらを選べば良くてどちらを選べば悪いということはないのですが、何も考えずに相談に行くと銀行員の思惑通りに誘導されてしまう可能性があるため注意が必要です。

銀行員は変動金利より固定金利を勧めたい

また同じようなことに、銀行員は変動金利より固定金利を勧めたいというものがあります。住宅金融支援機構という、他社の住宅ローンと自社の住宅ローンであれば、自社の住宅ローンを勧めたいという気持ちはなんとなく分かると思いますが、変動金利より固定金利を勧めたい理由は何でしょうか?

実は、固定金利は変動金利より、利用者にとって理解が難しくつくられています。それは、固定金利は10年間など最初の特約期間が終われば、その後の優遇金利は高くなってしまうということです。

一例ですが、多くの固定金利型住宅ローンは10年固定で店頭金利が2.5%、優遇金利-1.5%の1.0%といった仕組みになっています。そして、多くの固定金利型住宅ローンで、最初の期間が過ぎた後の金利は、例えば-0.8%の引き下げといった設定がされており、店頭金利が変わらなかった場合でも1.7%の金利となってしまうのです。

一方、変動金利も同じように店頭金利より優遇金利分が引かれた金利が設定されますが、変動金利の場合は借入から最後まで優遇された金利が継続されます。

3,000万円借り入れた場合の差額は?

仮に、店頭金利2.5%、優遇金利1.5%、その後の引き下げ金利0.8%の10年固定金利型住宅ローンと、店頭金利2.3%、優遇金利1.5%の変動金利で、3,000万円35年間借り入れた場合を考えてみたいと思います。

10年固定金利型・・・総支払額3776万円 月々支払額8.4万円(1.0%)~9.1万円(1.7%)
変動金利型・・・総支払額3440万円 月々支払額8.1万円(0.8%)

10年固定金利型と変動金利型の差額は336万円もの額になりました。もちろん、変動金利はその名の通り変動する可能性がある点に注意が必要です。

金利タイプの選択は、自分で考えることが大切

銀行員も悪意があって上記のような提案をしてくるわけではありません。住宅ローンの金利タイプにはどれもメリット・デメリットがあって、どれを選ぶことが正解だと言えないところに問題があります。

つまり、銀行員としてはどれを選んでも変わらないのであれば自社にメリットのある金利タイプを選んで欲しいと考えるのです。


 

住宅ローンの金利タイプを選ぶにあたってはフラット35、固定金利、変動金利それぞれのメリットとデメリットをしっかり理解した上で、自分の選びたい金利タイプを選ぶと良いでしょう。



 - 銀行員から見た住宅ローンに対する本音